96様の詩 Back
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「貴方完成した人間だね」
「この世に完成した人間なんて居ないよ、僕達は未完成だから人間でいられるんだよ」
「じゃあ私達は完成した人間にはなれないの?」
「なれないね、失敗作が成功作になれないのと同じだよ、そもそも完成してしまったらそれは人間ではない」
「じゃあ人間は失敗作なの?」
「そうだよ、まぁもっともその中で僕は失敗作にもなりえなかった廃品だけどね」
「貴方の世界観は変わっているなぁ」
「どうも」
「じゃあこの世に完成したものは在るの?」
「人によって違うね」
「ふぅん、じゃあ貴方にとっての完成しているものは?」
「それはね――」
君だよ
「…何故?」
「好きな人は完成してみえる」
「…私は貴方が完成してみえるよ」
「それはどうも」
(人間未完成論 改め 人間完成論)
[No.10 2007/11/07(Wed) 20:19:03] - 人間未完成論 -
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ウサギは涙を流せません
なので寂しいと死にます
僕は独りです。家族も友達も居ません。
寂しくて死にそうな僕は死ぬ前に僕を必要としている人がいないか考えてみました。
けれど考えてみた所で僕は独りなのです。必要としてくれる人なんていません。
そしてもっとよく考えてみれば僕は独りなので、僕が死んでも誰も気にしません。
そう思うともっと寂しくなりました。心臓が潰れそうです。
そして一瞬 人の目に付く所で死のうかと思いましたが、僕はすでに動けないのでした。
仕方がないので誰の目にも触れない 静かでひっそりとした此処で死ぬ事にしました。
悲しいです
でも、悲しいのに涙が出ません
そうだ僕はウサギ年でした
(死ぬ前に 僕はくすりと笑った)
[No.9 2007/10/21(Sun) 14:46:01] - お月様に逝けたらいいな -
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赤は 嫌い 派手だから
でも 赤は 私を 綺麗に飾ってくれるから 好き
青 は 嫌い 気分が沈むから
でも 青は 空の 色だから 好き
白は 嫌い 直ぐに汚れてしまうから
でも 白は 漂う雲の 色だから 好き
自分が 嫌い 醜いから
でも 私は 彼を 愛しているから 好き
あれは嫌い好き嫌い好き
(私は貴方が居なくなってしまったら すべてが嫌いになってしまう)
[No.8 2007/10/02(Tue) 21:36:20] - 矛盾をたくさん創りましょう -
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「籠の鳥は所詮籠の中じゃないと生きていけないのさ」
「…意外と順応するかもしれない」
「さあ、それはどうだろうか」
「試してみる?」
「怖じけづいてる?」
「あと一歩を躊躇ってる?」
「強い?」
「弱い?」
「満員電車の中のように身を任せているだけ?」
「浮かべた子供の笹船のように流されるだけ?」
「空を漂う風船になりたかった?」
「潰れた新鮮なトマトになりたかった?」
「何処に行きたい?」
「此処に居たくない?」
「空を飛べる?」
「羽は健在?」
「準備運動は?」
「飛び立つ勇気は?」
「勇気は…」
そこまで言って、僕は言葉を詰まらせた。 何かが欠けた、喪失感。
空間のひび割れをなぞって、彼女は僕を小さく笑った。
「意気地無し」
そうして、屋上の開かないドアに手をかけた。
流れ込んでくる冷気に冬の接近を感じた。
(開いたのは魔法の扉、またその先には扉、カゴノトリ)
[No.7 2007/09/29(Sat) 19:28:58] - 世界に取り残される -
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悩みが1つ、増えました。
それは体重が増えたとか可愛いモノじゃなくてもっと重いもの。
どうしたらいいのか分からない私は、仕方が無いから歌ったよ。
なんだかすべてが嫌になったから涙を流してみたけど誰も助けてはくれないんだ。
携帯から私のお気に入りのメロディが流れた。
悩みの種からの、着信。
どうしようかと思ったけど通話のボタンを押したの。
そしたらね、さっきまでの重い悩みが軽くなってお月様に飛んでっちゃた。
そうだ、私は素直になればよかったんだね。
(辛いに横線1本足せば、幸せへの近道)
[No.6 2007/08/25(Sat) 21:23:23] - 辛いに横線1本 -
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毎日人が死んでいく地獄のような牢獄で、私は生きていた。
身近な仲間がただの肉塊になっていく度に次は自分の番なんだと震えが走った。
そんな血塗れた世界を壊したのは私と同じ殺される側の立場のはずだった少年。
すべてを壊した後、返り血にまみれて呆然としている私に手を差し伸べてくれた。
「さぁ、共にこの穢れた世界を壊しにいきましょう。」
その手は血にぬれて綺麗とは言えなかったが私にはとてつもなく綺麗なものに見えた。
そしてその手の上にそっと自分の手を重ねたのだった。
その瞬間、私の目には希望の光が見えた。
(地獄のような日々から救ってくれたアナタは私の神様!!)
[No.5 2007/07/29(Sun) 21:48:19] - 希望の色を知った日 -
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耳に痛いほどの喧噪の中から抜け出すと急に辺りは静かになる。
お祭りから少し離れた神社の石段に腰をおろすとざわめきが遠くに聞こえた。
赤い浴衣を着た彼女は出店で買った風車を楽しそうに廻している。
くぅるりくるり。からからからから。
祭りはあまり好きではない僕が祭りに来たのは彼女の願い。
「私、死ぬ前にお祭りに行きたい。お願い、連れてって。」
死ぬだなんて言ってほしくはなかったけど、最近になって彼女の病気は悪い方へ向かっているようだった。
それに診察も前より簡単なものになっていた。
きっとコレが最後になってしまうのだろうと心のどこかで思っていた。
なのでせめて最後の願いを叶えるためにと夜にこっそり病院を抜け出してお祭りに来た。
風車を嬉しそうに眺めていた彼女は急に僕に寄り掛かってきた。なんだかとても苦しそうだった。
「ねぇ、私はまたこの世界に廻って来れるかな…?」
いつも元気な彼女がとても弱々しい声で呟いたのでとても悲しくなってきた。
「…僕は君がまた廻ってくるまでずっと此処で待ってるよ。」
そう言うと彼女は微笑んで深く息を吸ってから瞳を閉じた。
夏の夜空に花火が上がる。風車はくるくる廻る。
寝息もたてずに眠る彼女の横で、僕は静かに涙を流す。
(また廻りあいましょう、愛しい人よ)
[No.4 2007/07/29(Sun) 16:32:08] - お祭り騒ぎと風車 -
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今、僕の腕の中で命が終わろうとしています。
この子は死ぬんだ。考えずとも分かる事でした。
お腹に空いた穴からは真っ赤な血が溢れだしています。
けれどもそこら中に転がっている穢れた人間共から流れている汚い血ととても奇麗な彼女の血が混ざってしまって
僕は悲しい気持ちになりました。
細く、頼りない呼吸を繰り返しながら彼女は透き通った涙を何粒も流しています。
きっと彼女は神にも世界にも祝福されて生まれた子だからこんなに汚い所でも輝いて見えるのでしょう。
あぁ、では何故この子の命は消えそうなのだろうか。
人を殺めることしか出来ない僕はただ抱き締める事しかできません。
だんだん彼女の鼓動の音が弱くなってきました。
僕は狂いそうになりました。お願いだから死なないで。
彼女は命の灯が消える直前に僕に言いました。
「貴方は私の世界でした」
そう言って彼女は静かに息を引き取りました。
どんどん体温のなくなってゆく彼女を抱き締めながら僕は涙を流しました。
「僕の世界も貴方だった」
そうして僕は冷たい銃口をこめかみにおしあて、引き金を引くのでした。
(たった一つの世界を無くした恋人の末路)
[No.3 2007/07/28(Sat) 00:23:54] - 人間プログラム -
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ハローハロー。聞こえますか?もう私からはアナタが見えないけれど気分は不思議に穏やかです。
もはや動かない唇の感覚はなくなりました。ヒュウヒュウうるさい喉笛も遠のいてきました。
言葉がでない私ですがアナタに捧ぐ感謝と親愛を、繋がった指先から、最期にどうしても伝えておきたいのです。
さむくてさむくてたまらないわたしはもうすぐたびにでます。
あ りが とうは 宙に 舞 っ て
(人生最期にテレパシーを望む)
[No.2 2007/07/27(Fri) 22:43:59] - 青色遺言。 -
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生きているのも嫌ですが。死んでしまうのも嫌なのです。
1人で死ぬのは嫌です。とても寂しいからです。
何人かと心中するのも嫌です。自分の死が埋もれてしまうから。
それに私は人が嫌いです。会話が出来ないのです。
私、この世界で唯一平等なのは死だと思いますの。
私がここで自殺などしてしまったらとても不平等な死が私に訪れます。それは嫌です。
ならば私はどうしたいのかですって?
私は世界が滅亡するのがいいのです。
だって世界の終わりにはみんな平等に死んでゆくのでしょう?
なので私は日頃から世界の滅亡を願っております。
こんなに汚れてしまった世界など、早く終わればよいのです。そう思いませんこと?
そして私は世界の滅亡に嘆き狂う人々を傍観しながら1人ふかふかのベッドで眠りにつくのです。
世界の終焉を眠りながら待つだなんてとても素敵な事ではありませんか?
永遠に覚めない眠りとはなんと甘美な物でしょう。
あぁ、早く砂糖菓子のような死を味わってみたいものです。
けれど私は汚いこの世界で生きていくのに疲れてしまいました。
先ほど、睡眠薬を大量に飲みました。
私はこれから世界の終焉まで眠りにつくのです。
次に起きた時が世界の終焉でありますように。
それでは皆様、よい終焉を。
(そうして少女は1人で静かに終焉を迎えるのでした めでたしめでたし)
[No.1 2007/07/26(Thu) 22:17:22] - 少女の日記 -